山梨学院大学サッカー部女子 昨年の屈辱を胸に、1年での1部復帰を全勝優勝で目指す

1部に昇格するも、1年後に2部へ降格した雪辱

 創部4年となった2017年12月、目標のひとつだった関東大学女子サッカーリーグ1部に昇格。昨年は強豪ひしめく1部でどれだけ渡り合えるか、チームの成長が試される機会となったが、結果は0勝4敗5分で最下位。勝ち点5は奪ったものの、白星を挙げることはできず、わずか1年で再び2部で戦うことを強いられた。

 チームを指揮する田代久美子監督は、2018年のリーグ戦を振り返り、「選手層の薄さ、勝負弱さ、チームの一体感が足りなかったことなど、勝てなかった要因はいくつもあります」と振り返った。

 今年からは、トレーニング内容を全て見直した。選手たちも、4年生が中心となって、コミュニケーションを増やすことで、選手同士の結びつきがより強くなった。

 改革が進むチームを田代監督は、「個々が自分のストロングポイントを磨き、試合の中で発揮するだけでなく、チームとしても、仲間の長所を引き出すプレーができるようになってきた」と、選手の成長を褒めた。

「6月の教育実習以降は調子がよくなかったが、開幕後は徐々にコンディションがあがってきた」と、主将の生沼奈央(4年・右)。

個の力を引き上げて、方向性を示す指導法

 田代監督は、的確な判断力を持ち、冷静な思考でプレーできる選手を育成するため、選手の主体性を重んじている。

 サッカーでは、相手の特徴やその場の状況を分析して、時には戦術すら変更する能力が必要となる。だからこそ、個人個人がしっかりと状況を把握し、局面を判断する力や打開するテクニックを身につけなければならない。

 「選手が日頃から主体性を持って取り組むことで、試合において、いかなる状況にも対応できる力がついてきます。相手や試合状況によって選択するプレーの判断は異なります。選手各々が自ら判断し、対応できるように、日頃のトレーニングから答えを自ら引き出す力を追求しています」(田代監督)

 選手たちは、試合後に自身のプレーを振り返り”成果と課題”を明確にしている。また、ミーティングでは映像を見ながらチームの課題を共有し、トレーニングを通して課題を改善し、次の試合へ臨む。これを繰り返すことで、選手達が自ら考えて目的を達成する力が、徐々に養われてきている。

「目標は1部昇格ですが、昇格して、1部上位に食い込む力を付けなければ、また2部に戻るのが目に見えています」と話す田代監督の目に力強い輝きがあった。

今季の2部を全勝で優勝し、再び1部へ挑む!

 8月24日からスタートした、関東大学女子サッカーリーグ2部。山梨学院大学サッカー部女子は、9月20日現在で4試合を戦い4勝0敗、勝ち点12、失点は0と圧倒的な強さを見せつけている。それでも田代監督はもちろん、選手も好調な結果に甘んじている様子を見せない。なぜなら、1敗もすることなく優勝を果たし、1部に復帰することを狙っているからだ。また、絶対的な強さでリーグを制することが、1部で戦えるチームに成長した証にもなる。

 残るリーグ戦は4試合。このまま勢いを崩さず、全勝優勝だけを見据えて、今日も猛練習に励んでいる。

エースストライカーの小山由梨奈(4年・左)は、「試合の序盤で得点できれば、戦いやすくなるので、積極的にゴールを奪いにいっています」と気迫をみなぎらせる。

▼クレジット
撮影◎笠井豪司
写真提供◎山梨学院大学サッカー部女子(集合)
文◎佐藤わかな(サイバーエージェント)

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