山梨からアメリカンフットボールの魅力を発信!
2019年9月29日、甲府市の小瀬スポーツ公園内にある山梨中銀スタジアムで第32回ラッシュボールが開催された。
この大会は、毎年10月に行われている「ポール・ラッシュ祭」の一環として開催されるもので、競技スポーツとしてのアメリカンフットボールを日本に伝え、普及に努めたといわれるポール・ラッシュ博士の意志を受け継ぎ、博士と縁がある山梨からアメリカンフットボールの楽しさを広めようという思いが込められている。
大会を主催する山梨アメリカンフットボール協会の小宮山要会長も、「山梨県が誇れるすばらしいスポーツイベントのひとつとして、長く続けていくことが私たちの責務です」とコメントを残している。
合同チームが最後に意地を見せる
32回目を迎えた今回は、第1試合で山梨唯一の社会人チームである甲府ユリシーズが、神奈川県横浜市の社会人チーム・横浜タイタンズと合同チームを結成し、東京都の社会人チーム・ブランディングスと対戦した。
日本プライベートフットボールリーグの公式戦でもあったこの試合は、序盤から緊迫した試合展開。互いに強固なディフェンス力を見せ、第1クォーターは互いに得点を奪えず終了。第2クォーターに入ると、ブランディングスが徐々にペースを握り、最初のタッチダウンとエクストラポイントを決めて先制した。追いつきたい合同チームだったが、相手のディフェンスを崩すことができず、前半を終えて得点を奪えなかった。
後半は、ブランディングスが試合を優位に進め第3クォーターに20点を奪うと、第4クォーターにも1つのタッチダウンとエクストラポイントで7点を追加。合同チームは0対36と大きく引き離されるが、第4クォーターの終盤に意地のタッチダウンを奪う。しかし、反撃もここまでとなり、6対36で合同チームの敗戦となった。
試合後、ユリシーズの生山和昭主将は「試合に負けてしまったのは残念ですが、このような舞台で試合をさせてもらうのは本当に幸せなこと。人数が少なく合同チームでの試合になっていますが、アメフトが好きなメンバーが集まっているので、自分たちで山梨のアメフト界を盛り上げたい」と話してくれた。
ミスから相手にペースを握られ、悔しさだけが残る試合に
第2試合では、関東学生アメリカンフットボール連盟のエリアリーグ公式戦も兼ねた、山梨大学ワイバーンズと城西大学 B-RHINOSが激突。
試合は前半開始からオフェンス力で上回る城西大学がペースを握る展開に。第1クォーター中盤に最初のタッチダウンを奪うと、正確なパスとスピードを活かしたオフェンス陣が山梨大学のディフェンス陣を翻弄し次々と得点を奪っていった。山梨大学も果敢な攻めを見せるがミスも目立ち、得点を奪えないまま0対34で敗れてしまった。
悔しい敗戦となった山梨大学の黛隼人主将は「ひとつのミスが相手にいい機会を与えてしまうことを改めて思い知らされたので、今後はそのようなミスをなくしていけるように練習に励みたいと思います」とコメントを残した。
取材・文/松野友克