山梨県小学生ABCバドミントン大会兼全国小学生ABCバドミントン大会県予選レポート  A級は男女ともに実力者が圧倒的な強さを見せつける

A級男子は5年生の渡邊睦が全階級での優勝を達成

 5月25日、甲州市勝沼体育館で行われた山梨県小学生ABCバドミントン大会兼全国小学生ABCバドミントン大会。県内9つのスポーツ少年団から昨年を大きく上回る男子35人、女子57人の計92人が参加し、A級(5・6年生)とB級(3・4年生)はトーナメント戦、C級(1・年生)は総当たりのリーグ戦で8月に青森県で行われる全国大会出場を目指す戦いを繰り広げた。

 開会式では大会を協賛する山梨ダイハツの青木常務取締役が挨拶を行い、「ダイハツグループは“お客様に寄り添う” “暮らしを豊かにする”という理念のもと、スポーツや地域活動に協賛させていただいております。本日も、些少ではありますが、スポーツドリンクとうちわを協賛させていただきます。今日参加している選手におかれましては、みなさんがいいプレーで、成功裏に終わることを願っております」と挨拶。開会式後には、山梨ダイハツの社員が選手たちに協賛品を各チームの代表者に配り大会をサポートしていた。

開会式で挨拶を行った山梨ダイハツの青木常務取締役

参加チームの関係者に協賛品を渡す山梨ダイハツのスタッフ

 A級男子では、4年連続でABC全国大会出場を目指す渡邊睦(勝沼ジュニアバドミントンスポーツ少年団)が前評判どおりの強さを見せつけた。今年2月に行われたトライアングルチャンピオンシップでは県勢で唯一決勝トーナメントに進み、優勝まであと一歩に迫ったが、惜しくも準優勝。この際「すべてが足りなかった」と反省を口にし、さらなる成長を誓っていた5年生の渡邊。本大会は、1学年上の6年生とも戦う必要があるため、厳しい試合もあるかに思われたが、初戦から横綱相撲ともいうべき支配運びで相手を圧倒。準決勝までは2ケタ失点をすることなくストレート勝ち。準決勝では昨季A級3位となった青栁佳吾(鰍沢バドミントンスポーツ少年団)と対戦。接戦になるかと思われたが、ここでもショットが冴え渡り、第2セットでこの日初の2ケタ得点を相手に許したが、ストレート勝ちで決勝へ進出。決勝では、同じクラブで同級生の武井凌空を21-2、21-3と全く寄せ付けずに、4年連続での県予選制覇を成し遂げてみせた。

 B級男子では、2年前にC級で優勝した塚原蓮(鰍沢バドミントンスポーツ少年団)が全試合ストレート勝ちで優勝。4人の総当たり戦で行われたC級男子では、初出場となった1年生の和泉季也(T・Gジュニア)も全試合ストレート勝ちで3勝を挙げて初の全国大会出場を決めた。

 ABC全国大会に4年連続出場となる渡邊は「練習でやってきたことができたのでよかったですが、ミスがいつもより多かったので、そこは全国大会までに直していきたい」と、次なる戦いに向けて気を引き締めていた。

安定した試合運びで4年連続での全国出場を決めた渡邊

初出場の緊張も感じさせず3連勝で全国の切符をつかんだ和泉

A級女子は2年前のB級覇者・柳川百音が2度目の全国へ

 一方、33人の選手がエントリーしたA級女子。過去の大会でしのぎを削ってきた6年生が順当に勝ち上がる中で、強さを見せたのが2年前にB級を死した柳川百音(中道ジュニア)だった。正確なショットで相手を揺さぶるなど巧みな試合運びで勝ち進んでいった。決勝の相手は、藤村咲菜(勝沼ジュニアバドミントンスポーツ少年団)。今年1月の山梨県小学生バドミントン大会と同じカードとなった。この際敗れている藤村はリベンジを狙ったが、柳川は立ち上がりからすぐに自分のペースに持ち込み、藤村の良さを封じていった。藤村もなんとかペースをつかもうとするが、焦りからミスも目立ち流れをつかめず。接戦になるかと思われたが、21-10、21-9と柳川がストレートで勝利して、2年ぶりの全国出場を果たした。

 B級女子では、柳川と同じクラブの島田六花が、1月の県大会決勝で敗れた西村明莉(甲府ジュニアバドミントンクラブ)にリベンジを果たして優勝。当日万全な体調ではなかったものの、必死のプレーを見せた島田が全国の切符を勝ち取ったあとは、クラブの仲間たちが彼女のもとへ駆け寄り一緒に喜びある姿がとても印象的だった。

 2年ぶりに試合が行われたC級女子は、越智千遥(勝沼ジュニアバドミントンスポーツ少年団)がリーグ戦を制して優勝。C級は男女ともに1年生が制する形となった。

 今年も参加した全選手が今持てる力を発揮して、いいプレーを見せてくれた。全国出場の切符をつかんだ選手たちには、この大会で敗れた選手の気持ちも力にかえて、大舞台でも素晴らしいプレーをみせてもらいたい。

2年ぶりの全国へ向けて「必ず1勝したい」と意気込んだ柳川

全試合ストレート勝ちでB級を制した島田を仲間たちが祝福

男子A級の上位3選手。左から青柳佳吾(3位)、渡邊睦(1位)、武井凌空(2位)

男子B級の上位3選手。左から植松颯之介(3位)、塚原蓮(1位)、福沢航平(2位)

男子C級の上位3選手。左から堀内悠慎(3位)、和泉季也(1位)、櫻林快理(2位)

女子A級の上位3選手。左から染谷さくら(3位)、柳川百音(1位)、藤村咲菜(2位)

女子B級の上位3選手。左から西村明莉(2位)、島田六花(1位)、渡辺桜咲(3位)

女子C級の上位2選手。左から桑原朱里(2位)、越智千遥(1位)

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取材・文/松野友克

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