東海大甲府高校 5年ぶり6度目のセンバツで悲願の全国制覇を目指す

センバツ本番へ向けて打線が急上昇!

 2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった選抜高等学校野球大会(以下センバツ)。2021年は、入場者を1試合1万人という上限を設定するなど、万全な感染症対策を施したうえで3月19日(金)に開幕する。2年ぶりの開催となる春の風物詩に、昨年の秋季県大会で圧倒的な強さで優勝し、続く秋季関東大会でもベスト4入りした東海大甲府高校が出場する。

 5年ぶり6度目の出場を果たす名門校に取材に訪れたのは、大会開幕の約1週間前。選手たちは、本番へ向けて調整を続けていた。
野球部を指揮する村中秀人監督は「今のところ順調にきている」と笑顔をみせていた。自身が高校生のときは、東海大相模高校(神奈川)のエースとして春夏合わせて4度の甲子園大会を経験。指導者になってからも、母校・東海大相模をセンバツ準優勝(92年)に導き、99年に同校に赴任し、野球部の監督になってからも夏5回、春は今回を入れて2度甲子園に導く名将だ。

「秋はバッテリーを中心に守りをしっかりとやってきた。冬から春にかけては、打撃強化を徹底。その成果はしっかりと表れています」と村中監督。このことは、取材前の週末に行われた練習試合で、4ゲームの合計得点が60点以上になったことでも証明されている。

 4番の主砲・久井竣也(2年)、痛めていた腰の回復し調子が上がってきた中澤空芽(2年)ら主力が揃って好調をキープし、村中監督も「良すぎて心配になるくらい」と目を細めていた。

豊富な経験を持つ村中監督がチームを全国制覇に導けるか

厚みをました投手陣の活躍に期待

 センバツ出場チームの中心となるのは、エース左腕の若山恵斗。173cmと上背はないが、抜群の制球力と攻めの投球術で、昨秋は6勝、防御率2.06と抜群の安定感を見せた。頼もしいエースの存在は大きいが、村中監督は、「2番手以降の投手陣の成長も心強い」と語る。

 昨秋の秋季大会準決勝、常総学院(茨城)戦では、エースを温存し、左腕の加藤太陽(2年)が先発し、1年生のサイドスロー右腕・山口優星、本格派右腕・赤井海人(2年)が登板。しかし、3人合わせて10失点と精彩を欠いて、決勝進出を逃している。

 投手出身の村中監督は、この冬、打線の強化はもちろん、2番手以降の投手陣の強化も徹底。自身の経験をもとに、練習に遠投を多めに取り入れた。「遠投といっても放物線を描くようになげるのではなく、ワンバウンド、ツーバウントしてもいいから直線で投げさせました。さらに直球だけでなく変化球も含めて。これは小手先で投げないように、指にかかったボールを投げる意識づけの意味もあります」。

 この猛練習の成果もあり、3投手は球速や制球力などがアップし、精神面でも大きく成長したという。打線も上向いているだけに、本番を前に投打のバランスが整ったことは本当に大きい。

強い精神力と抜群の制球力で相手打線を封じ込めるエースの若山

関係性の深い相手との初戦に勝てば勢いに乗れる!

 センバツ初戦の相手は、村中監督の母校であり、かつては監督も務めていた東海大相模。「残り少ないなかで、まさかと思っていましたが、決まったときはシーンとしていましたね(笑)」と組み合わせ抽選時の様子を振り返ってくれた。運命のいたずらともゆうべきめぐり合わせに「今後はもうないでしょうね」と語る村中監督だが、相手に対してのやりにくさは感じないという。なぜなら、昨年10月の秋季関東大会準々決勝で対戦し、2対1でサヨナラ勝ちを収めているからだ。「相手のほうが1回負けているから徹底して向かってくるから、変な力みが出る可能性がありますから」と話す。そして、「初戦を突破できれば、その勢いで一気にいける雰囲気はある」と胸を張った。

 主将の三浦諒太は、「全国制覇という目標を向かって、チーム全員で勝ちにいきたい」と意気込みを語ってくれた。

 これまで初夏通算で18度甲子園の土を踏んでいるが、最高成績はベスト4。この壁を打ち破り、悲願の日本一を成し遂げるためにも、初戦が重要なポイントになることは間違いないだろう。

捕手として投手陣をリードするだけでなく、チームの大きな支えとなっている主将の三浦

取材・文/松野友克

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