第1回YFAなでしこカップ Supported by 山梨ダイハツ レポート 未来のWEリーガー&なでしこリーガーを目指す子どもたちの目標となる大会へ

大会はU-15世代も加わった変則リーグ戦の2部構成

 10月30日昭和町にある押原公園人工芝グラウンドにて「第1回YFAなでしこカップ Supported by 山梨ダイハツ」が行われた。

 小学生の女子チームが参加するこの大会は昨年も開催されたが、今年からなでしこリーグ入りへ奮闘を続けるFCふじざくらを運営する一般社団法人ふじざくらスポーツクラブ・女子委員会3手チームが協力として参加。さらに、“らしく、ともに、軽やかに「Light you up」”をスローガンに掲げ、山梨県の全世代の女子サッカーを応援する活動に尽力している山梨ダイハツが特別協賛として加わり、リニューアルされた。

 今大会には、県内から10チームがエントリー。これをAブロック、Bブロックの5チームにわけて1チームが事前の抽選で決まった相手と3試合を行うリーグ戦でブロックごとに優勝を争った。また、選手のレベルアップも兼ねて1チームが大会のサポートとして参加したU-15世代のチームとも対戦。この試合ではU-15チームは、利き足で蹴ることを禁じる特別ルールが用いられた。

 このような試合形式になったのも、新型コロナウイルス感染症予防に観点が大きい。Aブロックを午前、Bブロックを午後に実施しなければいけないことから、今回は変則的なリーグ戦になったという。また、開会式も選手の入れ替えを行うAブロック終了後に行われた。

 開会式では、山梨県サッカー協会の渡辺玉彦会長が「この大会を通じて、みんながスポーツを好きになり、もっと上を目指してステップアップしてもらいたい」と挨拶。特別協賛の山梨ダイハツの中島健二社長は、「この中から、WEリーガー、なでしこリーガーがたくさん出てくることを期待しています」と選手たちにエールを送ってくれた。

開会式は全チームが参加して行われた

山梨県サッカー協会の渡辺会長が選手たちに激励の言葉を送る

選手たちにエールを送った山梨ダイハツの中島社長

Aブロックは峡北・郡内南ガールズの合同チームが頂点に

 午前に行われたAブロックは、昨年の大会で優勝しているメニーナ、同じく前回覇者の峡北ガールズ(郡内東ガールズとの合同チームで優勝)と郡内南ガールズの合同チーム、、昨年3位からの優勝を狙う韮崎SCガールズなどが優勝を争った。

 第1試合でフォルティナと戦ったメニーナは、キャプテン・深澤愛生が中心となりサイドから起点をつくる攻撃パターンを軸に4点を奪い快勝。韮崎SCガールズは別コートで第1試合をUスポーツクラブと戦い、キャプテン・長瀬心美を軸に、サイド、中央からも突破する高い攻撃力を見せつけて8-0で圧勝した。

 第2試合では、優勝候補とされるメニーナと峡北・郡内南ガールズが激突。互いに1点ずつを奪うも、最後のリードが奪えず引き分けになった。

 初戦を圧勝した韮崎SCガールズは、2試合目でU-15チームのキャメリアL&Gアカデミーと対戦。相手が利き足を使えないというハンデ戦であったが、体格差などもあり、相手にボールを支配される場面が多くなってしまい2-4で敗れてしまった。連戦となった最後のメニーナ戦も4得点と攻撃力は見せつけたものの、4失点と相手の攻撃力を抑えられず引き分けに終わった。

 メニーナ、韮崎SCガールズが1勝止まりとなった中で、峡北・郡内南ガールズは、2試合目のフォルトゥナ戦を10-0、3試合目のUスポーツクラブ戦を7-0と圧勝。5チーム中唯一2勝をマークし、リニューアルされた記念すべき大会の午前の部を制した。

 大会まで合同練習などは行わなかったという峡北・郡内南ガールズ。そんな中でも優勝できた裏には、「みんなで声を掛け合って、しっかりパスを出せてゴールに結びついた点が良かったと思います」(内藤百々佳/峡北ガールズ)、「みんなで協力してスペースにボールをうまく運べたのがよかったです」(堀内暖心/郡内南ガールズ)と、試合中のコミュニケーションがしっかりできたことを教えてくれた。

フォルトゥナ(黄Tシャツ)と峡北・郡内南ガールズ(パープル&赤Tシャツ)の試合模様

チームは3位になるも存在感を示した韮崎SCガールズのキャプテン・長瀬選手

Bブロックは、甲府TCガールズが抜群の攻撃力を見せつける

 午後のBブロックは、昨年準優勝の甲府TCガールズ、FCふじざくらのU-12以下の世代で構成されるふじざくら山梨JE(A)の2チームが優勝候補として挙げられていた。

 強さを見せつけたのは甲府TCガールズ。小柄な選手が多いながらも、卓越したスピードを生かしたドリブル突破と、巧みなボールコントロールをこなす選手を前線に配置し、すべてのゲームでボールを支配した。郡東ガールズとの初戦を2-0で勝利し勢いに乗ると、2戦目4-0、3戦目を9-1と、試合ごとに得点を量産して3戦全勝。昨年の悔しさを晴らす圧巻の攻撃力を見せつけて優勝へとたどり着いた。

 もうひとつの優勝候補だったふじざくら山梨JE(A)は、FCふじざくらU-15との一戦で勝利するも、連戦となった最終戦で引き分けてしまい、惜しくも2位に終わった。

スピードを生かした攻撃で相手を圧倒した甲府TCガールズ(黄Tシャツ)の選手

ハンデありとはいえU-15チームに勝利したふじざくら山梨JE(A)(オレンジTシャツ)

 今大会に協力し、大会では運営のサポートも行ったFCふじざくらコーチ兼U-15チーム監督の田口友久氏は「県全体のレベルは関東の他県に比べれば劣ってるかもしれませんが、能力の高い選手はたくさんいます。この大会が、U-12以下世代の目標となるものになれば、選手個々のレベルアップはもちろん、チーム、そしてエリアのレベルアップにもつながると思いますので、今後もサポートしてきたい」とコメントしてくれた。

Aブロック優勝の峡北・郡内南ガールズ

Bブロック優勝の甲府TCガールズ

<試合結果>
Aブロック
○メニーナ 4-0 ●フォルトゥナ
○韮崎SCガールズ 8-0 ●Uスポーツクラブ
△メニーナ 1-1 △峡北・郡内南ガールズ
●フォルトゥナ 1-2 ○Uスポーツクラブ
○キャメリアL&Gアカデミー(U-15) 4-2 ●韮崎
●フォルトゥナ 0-10 ○峡北・郡内南ガールズ
△メニーナ 4-4 △韮崎SCガールズ
●Uスポーツクラブ 0-7 ○峡北・郡内南ガールズ

順位
1位 峡北・郡内南ガールズ
2位 メニーナ
3位 韮崎SCガールズ
4位 Uスポーツクラブ
5位 フォルトゥナ

Bブロック
●郡東ガールズ 0-2 ○甲府TCガールズ
○ふじざくら山梨JE(A) 1-0 ●峡東SABIO MIX
○郡東ガールズ 10-1 ●ふじざくら山梨JE(B)
○甲府TCガールズ 4-0 ●峡東SABIO MIX
●FCふじざくらU-15 1-3 ○ふじざくら山梨JE(A)
○甲府TCガールズ 9-0 ●ふじざくら山梨JE(B)
△郡東ガールズ 1-1 △ふじざくら山梨JE(A)
○峡東SABIO MIX 2-0 ●ふじざくら山梨JE(B)

順位
1位 甲府TCガールズ
2位 ふじざくら山梨JE(A)
3位 郡東ガールズ
4位 峡東SABIO MIX
5位 ふじざくら山梨JE(B)

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取材・文/松野友克

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