第5回ママサカカップ大会レポート エスペランサが過去最多5チームのリーグ戦を制す!

初出場の富士川レディースが台風の目に!?

 6月11日日、鳴沢村のフジビレッジで「FCふじざくらpresents 第5回ママサカカップ Supported by 山梨ダイハツ」が行われた。

山梨県内の女子サッカーの普及ならびに振興を目的としたこの大会。第2回大会からは、全世代の女子サッカーを応援している山梨ダイハツが協賛に加わっている。5回目を迎えた今回は、垂水レディース、フロール、アルティー、エスペランサ、富士川レディースと、過去最多の5チームがエントリー。総当りリーグ戦を行い、上位2チームが決勝で再び激突するという形式で実施された。

 第1試合は、2大会連続3度目の優勝を狙うアルティーと、初優勝を目指すフロールが対戦。ここではアルティーが自慢の攻撃力を武器に、序盤からボールを支配。開始から3分で1点を挙げると、終盤にも1点を追加し、2対0で勝利し2連覇へ好発進を決めた。

 第2試合目は、3大会連続出場の垂水レディースと、第1回大会の覇者で4大会ぶりの優勝を目指すエスペランサが激突。序盤から中盤にかけては激しい攻防が続くなかでも、お互いに決め手を欠いた。しかし後半に入ると、エスペランサがボールを支配する時間が増え、チャンスの場面で得点を奪って1対0で勝利した。

 続く3試合目は、大会初出場となる富士川レディースと、アルティーの対戦。連覇へ2連勝を決めたいアルティーは、試合序盤に得点し勢いに乗る。しかし試合中盤になると、富士川レディースの攻撃に押される場面が目立ち、同点に追いつかれてしまい、そのまま終了。この試合では、富士川レディースの攻守のバランスの良さが引き立つ一戦となった。

先制点を奪った直後にチームメイトと喜びを分かち合うアルティーの選手

ゴールを決め喜ぶ富士川レディースの選手

突然の降雨の影響で決勝が中止に……

 前回王者相手に初戦を引き分けた富士川レディースは、2戦目で垂水レディースを1対0で破り大会初勝利をマークし、初の決勝進出へ勢いをつけた。

 新勢力の台頭で、優勝争いが混戦となるかに思われたが、この日は、初戦をいい形で勝利したエスペランサの勢いが止まらなかった。2戦目のフロール戦を2対0で勝利すると、3戦目のアルティー戦では、中央、サイドを効果的に使って相手ゴールに襲いかかり、付け入る隙を与えぬまま、1対0で白星。エスペランサは、続く富士川レディース戦で相手に追いつかれる展開も、終盤で再びリードを奪って2対1で勝利。全勝で、決勝進出を決めた。

 この時点で決勝進出の可能性を残したのは、アルティーと富士川レディース。勝ち点は同じでも得失点差で富士川レディースが優位にたっていたため、アルティーは最終戦で1点でも多く得点する必要があった。しかし、アルティーと垂水レディースの試合は開始から数分が経過したころに突然の雨が降り出した。徐々に雨粒も大きくなり、ピッチコンディションも悪くなる条件下で、アルティーは2点を奪うのが精いっぱい。リーグ戦最後の試合で富士川レディースがフロールを破ったことで、アルティーの大会連覇の夢は途絶えた。

 本来であれば、エスペランサと富士川レディースの決勝が行われる予定だったが、雨が降り続いたことで中止となり、リーグ戦順位がそのまま大会結果となった。

 この日圧倒的な強さを見せつけて2度目の優勝を果たしたエスペランサの代表は、「20歳代から60歳代までの幅広い選手が力を合わせて頑張ってくれました。チームワークの良さを発揮できたのが、今回の勝因です」と笑顔で語ってくれた。

 今大会では、オリジナルルールである「Over 50 Goal Rule」(50歳以上の選手がゴールを決めたときには2得点)の場面が見られなかった。しかし、回を重ねるごとに、各チームのレベルが上がっていることは確か。楽しみながらも真剣にプレーする選手たちの活躍をこれからも応援したい。

激しくボールを競り合うエスペランサ(左)と富士川レディースの選手たち

第9、10試合は雨の中での激闘となった

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取材・文/松野友克

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