インターハイ3位の実力を示した日本航空高校が快勝! 第 31 回全日本高等学校女子サッカー選手権大会関東予選ほか大会レポート

連合チームが棄権となり3チームでの争いに

 9月11・17日に行われた第 31 回関東高等学校女子サッカー選手権大会 兼第31回全日本高等学校女子サッカー選手権大会関東予選および 第18回関東高校女子サッカー秋季大会山梨県予選。日本航空高校、富士北稜高校・日大明誠高校の連合チーム、甲府商業高校、帝京大三高校(以下、学校名表記は高校を略)の4チームが参加し、上位2チームには11月に開催される全日本高等学校女子サッカー選手権大会関東予選への出場権が、下位2チームには10月に行われる関東高校女子サッカー秋季大会への出場権が与えられる。

 初日には、大会の後援を務める山梨ダイハツから、参加チームに対して記念品の贈呈が行われた。

 大会初日は、2試合が予定されていたが、富士北稜・日大明誠の連合チームが棄権したことで、日本航空は不戦勝で決勝へ進出。甲府商と帝京第三の一戦は、終始ペースを握った帝京第三2対0で勝利を収めた。

山梨ダイハツの三村取締役が、選手へ記念品を贈呈

山梨ダイハツの三村取締役が、選手へ記念品を贈呈

日本航空が圧倒的な攻撃力でゲームを支配

 17日に行われた決勝。台風接近による悪天候の心配もあったが、天気が崩れることなく絶好のコンディションでキックオフを迎えた。

 主導権を握ったのは、7月のインターハイで3位になった日本航空。左サイドを起点に攻撃のリズムをつくり帝京第三にプレッシャーをかけていく。そして前半10分ごろにコーナーキックのチャンスを迎えると、最後はFWの伊藤咲良(1年)がゴールを決めて日本航空が先制。これで勢いに乗った日本航空は前半15分に伊藤がこの日2本目のゴールを決め、前半30分にはFWの市村萌那(2年)がスピードあるドリブルで中央を突破して、最後はゴール左へシュートを決めて3点目を奪う。その後もボールを支配し続けた日本航空が3点をリードした状況で前半は終了。

 後半も日本航空の勢いは続き、開始早々に、流れるようなプレーから最後はMFの沼中彩里(3年)がゴールを決めてリードを4点に広げた。なんとか一矢報いたい帝京第三は、サイドを起点に反撃を試みるも相手の固いディフェンスに阻まれなかなかチャンスをつくれず。一方の日本航空は細かいパスミスなどは合ったものの、流れを相手に渡すことなく、後半30分ごろにも追加点を奪って5対0で優勝を決めた。

この日2得点の活躍をみせた伊藤(中央)

この日2得点の活躍をみせた伊藤(中央)

後半開始早々にゴールを決めて笑顔を見せる沼中

後半開始早々にゴールを決めて笑顔を見せる沼中

帝京第三は速攻から相手ゴールに襲いかかるも、ゴールは奪えず

帝京第三は速攻から相手ゴールに襲いかかるも、ゴールは奪えず

関東予選を突破し、12月の全国大会で頂点を目指す!

 圧倒的な強さを見せつけた日本航空の堀祥太朗監督は、「相手の守備の組織が確立されていたので、それを打開するのに手こずった印象があります。なので、もう少しやれることを増やして、優位的にゲームを進められればよかったと思います」とコメント。ゲームキャプテンを務める大島暖菜(3年・MF)は「先制して流れをつかむことはできたのですが、パスミスややるべきことができなかった面も多かった。」と反省を口にし、1ゴールを決めた沼中も「先制点をとるまでに焦りもあり、前半終盤にペースを握られることもあったので課題はたくさん見えました」と話してくれた。

 数字だけを見れば圧勝に見えるが、インターハイで3位になったことで全国制覇への意識はより強くなっている。そのため、全国で勝つためにはさらなるレベルアップをしなければいけないという気持ちがチーム全体に生まれているのだ。

 堀監督は、「インターハイ後、冬の選手権での優勝を本気で目指して取り組んでいます。だからこそ、細かい局面での打開が弱いという課題を克服しなければいけない。それができなければ全国制覇はないと思っています」と力を込めた。

 指揮官の気持ちは、選手たちにも伝わっている。沼中は、「このままでは全国では戦えない。日本一を目指してチーム一丸となってさまざまな課題を克服していきたい」と語り、大島も「得点で結果を残すことが自分の仕事。しっかりと決めきってチームに貢献したい」と前を向いた。

 悲願の全国制覇へ。まずは11月の関東大会で2連覇を果たし、全国へ向けての勢いをつけてもらいたい。

攻撃の柱として決定力強化を誓う大島

攻撃の柱として決定力強化を誓う大島

冬の大一番へ向けてさらなる飛躍を誓う日本航空の選手たち

冬の大一番へ向けてさらなる飛躍を誓う日本航空の選手たち

取材・文/松野友克

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