”繋いでいくバレー”で山梨県制覇
8月6日(火)に開幕する「かんぽ生命ドリームカップ 第39回全日本小学生大会」。バレーボールを頑張る小学生にとって憧れとなる全国大会に、大里バレーボールスポーツ少年団エンゼルス(通称 大里エンゼルス)の男子が出場を果たす。
現在、男子選手は8人と少ないが、20年にわたってチームを率いる味山勇造監督は「よい配役が集まった。レシーバーは、セッターが上げやすい球を回す。それを受けたセッターは、何としてでもアタッカーへ球を送る。アタッカーは、球がどこに上がっても『無駄にしない』という気迫で打ち込む。役割分担がしっかりしている」と、全国大会の切符を勝ち取った理由を話す。
それぞれが今やるべきことを理解し、仲間へ球を繋いでいく。チームの特色を発揮したことが山梨県制覇をもたらしたわけだ。
「思いやる心」と「社会性」を育む指導法
練習は女子メンバー7人と合同で、火・金曜日は2時間、土曜日は8時間行っている。練習内容はバラエティに富んでおり、体幹を鍛えるメニューにはじまり、コートを全面活用して、リズムに合わせて手足を上げるブラジリアン体操、ラダーを使用してボールコントロール力を養うトレーニングなどをこなす。指導する味山亜矢子コーチは「中心の軸どりや、レシーブの面作りが上手くできるようになりました。無理な体勢でボールを受けることが減って、怪我が少なくなったのも大きい」と成果を口にする。
豊富な練習メニューを取り入れる理由のひとつには、集中力が長続きしないという子どもの特徴がある。「一つの練習を30分以上続けると飽きてしまう。だから短時間で行える練習メニューを数多くこなすようにしています」(味山勇造監督)
監督とコーチが、学年や性別にかかわらず一貫して伝え続けているのは、社会性を身に付けることだ。「『仲間があっての自分』を忘れずに。思いやりの気持ちを持つことで、チームが勢いを保つ結果に繋がる。勝った時に喜びを分かち合えるのも、仲間への思いやりがあるからこそ」と、味山亜矢子コーチは力を込める。
目標は「ベスト4入り」
神奈川県の川崎市とどろきアリーナで開催される全国大会の男子の部には、48チームが参加。予選を勝ち抜いたチームが集うだけに厳しい戦いが予想されるが、目標はベスト4入りだ。過去、山梨県勢の最高位はベスト16と高い壁にはなるが、県外での練習試合を増やし、試合の流れが悪くなっても粘り抜く精神力などを磨き、目標達成へ向け準備を進めている。
キャプテンでエースストライカーの梶原蒼(里垣小・6年)は「全国大会では、攻撃中心のバレーをしたい。勝つ気持ちを忘れないで、全員で攻めていきたい」と意気込む。そして「チームメイト全員で、努力を見守ってくれる家族、指導してくれる監督、コーチへの感謝の気持ちを伝えられるようなプレーを見せたい」と、頼もしい言葉を残してくれた。
▼クレジット
撮影/笠井豪司 文/佐藤わかな(サイバーエージェント)