日本航空高校が男女揃ってインターハイの切符を獲得! 令和4年度全国高校総体山梨県予選会兼国体少年の部選考会レポート

決勝は県総体と同じ組み合わせに

 6月19日、甲府市の緑が丘スポーツ公園体育館で、令和4年度全国高校総体山梨県予選会兼国体少年の部選考会の準決勝、決勝が行われた。

 男子のベスト4には、今年1月の全日本バレーボール高等学校選手権大会(通称:春高バレー)で山梨県勢初の全国優勝を成し遂げた日本航空高校を筆頭に、5月の県総体準優勝から巻き返しを誓う日川高校、2年連続インターハイ出場を狙った駿台甲府、県総体3位の都留興譲館高校を下した白根高校が名を連ねた。一方の女子は、日本航空高校、帝京第三高校、東海大甲府高校の県総体の上位3チームに、県総体5位に終わった悔しさをバネに勝ち上がった韮崎高校がベスト4まで駒を進めた。

 男子準決勝1試合目では、日本航空と駿台甲府が激突。第1セットは、日本航空がセンター、サイドと巧みな攻撃で相手を翻弄し、最後まで主導権を渡さないまま25対11で勝利した。この勢いのまま第2セットも日本航空ペースで進むかと思われたが、序盤は駿台甲府が反撃。日本航空のミスもあり一時10対3と7点のリードを奪った。駿台甲府がこのまま突き進むかに思われたが、日本航空が立ち直りを見せて13対13と同点に追いつくと、一進一退の攻防に。そして20対20となった場面から日本航空が5連連続ポイントを奪って第2セットも奪いセットカウント2-0で決勝進出を決めた。続いて第2試合は、日川と白根という県立高校同士の対決。この試合は、両サイドを中心に巧みな攻撃を繰り広げた日川が、第1セットを25対8、第2セットを25対16で連取して決勝進出。

 一方の女子は、第1試合で日本航空が韮崎と対戦し、25対11、25対12といずれも差を広げて2セットを奪い決勝へと進んだ。第2試合はともにツーセッターを採用し、オープン攻撃を武器とする帝京第三と東海大甲府が激突。立ち上がりは東海大甲府がペースを握るが、帝京第三も力を発揮して均衡した試合展開となった。最後は、守備面でも粘りを見せた帝京第三が流れをつかんで25対22で勝利。続く第2セットでも帝京第三が相手を抑え込んで25対19で奪い、県総体で敗れた日本航空へのリベンジの権利をつかんだ。

日川対白根は、高さを武器にした攻撃で日川が相手をねじ伏せた

キャプテンとしてチームをまとめ決勝進出に貢献した岡庭優衣(帝京第三)

攻守で相手を圧倒した日本航空がストレート勝ち!

 決勝を前に行われた3位決定戦。男子は攻撃力の差を見せつけてた駿台甲府が2-0(25対14、25対15)で勝利。女子は、韮崎が第1セットを奪ったものの、第2、3セットに東海大甲府の攻撃陣が目を覚まして逆転勝利となった。

 男女ともに県総体と同じ組み合わせになった決勝。男子は、立ち上がり日川のサイド攻撃が決まりペースを握る。しかし日本航空は関東大会終了後に入念な練習を積んだというブロックでポイントを重ねて主導権を奪い返していく。そして、センターの速攻、両サイドからのスパイクも決まりだして第1セットを25対15で先取。続く第2セットも、第1セット同様にブロックが効果的に決まり相手を突き放すと、最後まで隙を見せない試合運びで25対16と勝利し、3年ぶり18回目のインターハイ出場を決めた。

 対する女子決勝は、第1セットから相手を高さで上回る日本航空が優位に試合を進めていく。帝京第三も伝統のオープンバレーでジリジリと差を詰めようとするが、追いつくことができず、25対17で日本航空が第1セットを奪う。続く第2セットは、序盤から点の奪い合いとなる拮抗した試合内容に。しかし、高さを生かしたコンビバレーを展開する日本航空が終盤でペースを握って25対21で勝利し、4年ぶり7回目となるインターハイへの切符をつかんだ。

日本航空のミドルブロッカー・木内蒼はブロック、速攻と攻守で役割を果たし勝利に貢献

最後のポイントを決め喜びを爆発させる日本航空のキャプテン渡辺真弥

男女揃っての全国制覇へ課題克服を誓う!

 試合後、日本航空男子の月岡裕二監督に話を聞くと、「エース、セッターとポイントになるポジションを務めるのが下級生ということもあり、どうしてもバタついてしまう点がある。それが準決勝の第1セットと第2セットで如実に表れた。それを払拭するには、今後経験を積んでいくことと、やるべきことをやろうという強い気持ちが必要。その点が今のチームの弱点とも言える。今後選手たちがそこをどう改善してくれるか。あと、現チームの強みであるブロックの良さが出たのは良かった点といえると思います」と話をしてくれた。キャプテンでリベロの伊東昌輝も「出だしでつまずくという課題が準決勝第2セットで出てしまった。第1セットで点差を広げて勝てたことで、気持ちに緩みが出たのは間違いないので、そこはインターハイまでに改善したい」と気持ちを引き締めた。そして「目標は全国制覇なので、1試合1試合を大切に戦っていきたい」と抱負を語った。

 一方女子を率いる銭谷祐平監督は、「女子も男子に続けという思いが強かったので、優勝できたことを、まずは素直に喜びたい。でも、今日の2試合の中でも、自分たちのミスもあるので、インターハイへ向けての課題も見えたと思います。これまではサーブレシーブ、レシーブ、ブロックと守備的な要素に力を入れて練習をしてきました。インターハイまでは、機動力も含めた攻撃面の強化にも取り組み、日本一を目指していきます」と力強いコメントを残した。キャプテンでエースの渡辺真弥は「初戦で敗れてしまいましたが、関東大会での経験は自分たちの糧になりました。そこで見えた課題をみんなで意見を出し合いながら練習に取り組んできたのが、今回の結果につながったと思います。インターハイまでには、もっとブロックを強化して、ひとつでも多く勝てるように頑張りたいです」と語ってくれた。

 なお令和4年度のインターハイは、四国で開催。バレーボール競技は、男子は香川県(8月3日~7日)、女子は徳島県(7月28日~8月1日)で行われる。

1月の春高に続く全国制覇へ、県代表の切符をつかんだ日本航空男子

日本一に輝いた男子に負けじと、全国優勝を目指す日本航空女子

取材・文/松野友克

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