日本航空、帝京第三が順当に決勝へ駒を進める
9月9、16日に行われた第32回関東高等学校女子サッカー選手権大会 兼第32回全日本高等学校女子サッカー選手権大会関東予選および 第19回関東高校女子サッカー秋季大会山梨県予選。日本航空高校、富士北稜高校・日大明誠高校の連合チーム、甲府商業高校、帝京第三高校(以下、学校名表記は高校を略)の4チームが参加し、上位2チームには11月に開催される全日本高等学校女子サッカー選手権大会関東予選への出場権が、下位2チームには10月に行われる関東高校女子サッカー秋季大会への出場権が与えられる。
大会初日の1試合目は、日本航空と富士北稜・日大明誠の連合チームが激突。試合は、実力でまさる日本航空が前半だけで14得点。後半も猛攻は止まらず18点を奪う圧勝劇となった。続く2試合目は帝京第三と甲府商業が対戦。帝京第三が危なげない試合運び6対0で勝利を収めた。大会2日目の第1試合は、甲府商業と富士北稜・日大明誠が対戦。前半で8得点を奪った甲府商業が12対0で勝利して3位となった。
前半は帝京第三が春季関東大会王者を苦しめる
長年、山梨県の高校女子サッカー界をけん引する2チームが激突した決勝。キックオフ間際は、春の関東大会を制した日本航空がボールを支配し、左サイドを機転に相手ゴールに攻め込んでいく。しかし帝京第三は、堅い守備からのカウンターで徐々にペースを握る。試合中盤は帝京第三がボールを支配しシュートで終わる場面もあったが、両チームともに決定打を欠いて前半は0対0で折り返した。
後半序盤も、日本航空がペースを握る展開になるも、なかなかゴールを割れず。対する帝京第三はカウンターで仕掛けるも、シュートまで繋がらず。両チーム決め手を欠くまま迎えた後半15分頃。日本航空はU-16日本代表候補に選ばれた佐藤マリー奈々美(MF/2年)が、チャンスの場面でミドルシュートを決めて先制点を奪った。これで流れを引き寄せた日本航空は、その3分後にもショートコーナーからのセンタリングを伊藤咲良(FW/3年)がヘディングで押し込み追加点。後半22分にも自慢のスピードを生かして左サイドを突破した佐藤が相手ディフェンダーに倒されてPKを獲得。佐藤はこれを落ち着いて決めてリードを3点に広げた。
その後も、攻撃の手を緩めない日本航空は相手ゴールに襲いかかったが追加点は奪えず。それでも、後半は相手にチャンスらしいチャンスをつくらせずにリードを守り脱いて3対0で勝利した。
インターハイ初戦敗退の悔しさを12月の全国選手権で晴らせるか
7月のインターハイでまさかの初戦敗退となった日本航空。冬の全国選手権でリベンジを果たすためにも、圧倒的な強さで県大会を突破する必要があった。チームを率いる堀祥太朗監督は「絶対に勝たなければいけないというプレッシャーもあり、前半は硬くなってしまった。その点は想定内でもあったので、後半は自分たちのサッカーができると思っていました」とコメント。そして「今年のチームは全員で粘って戦ってチャンスをものにすることをテーマにしているので、そこを強化して関東大会、そして全国大会へとつなげていきたい」と話してくれた。
ゲームキャプテンを務める五味小暖(MF/3年)は、「後半に入る前に全員でポジティブな声かけをして、先制して流れがつかめたのはよかったと思います」と試合を振り返った。そして「インターハイのときもそうでしたが、立ち上がりが悪いという課題があるのでそこを改善し、点を奪ったあとでもより攻撃的な姿勢を貫いていきたいと思います」と関東大会へ向けての意気込みを話してくれた。
全国選手権へ出場するには11月の関東大会で上位7チームに入る必要がある。春の関東大会を制している実力があれば、突破の可能性は十分。それでも、「全国大会出場が決まるまで絶対に気を抜くことなく、最大の目標である全国優勝まで突き進みたい」と五味は気持ちを引き締める。悲願達成へ、まだまだ厳しい道のりは続くが、チーム一丸となった戦いで突破してもらいたい。
取材・文/松野友克